■新卒者をCSR部署に

最近、ある会社のCSRマネージャーさんから「新卒者を、CSR部に配属にすることの是非」について聞かれました。プラス1名の増員は嬉しいが、本人のキャリアとして本当に良いのだろうか、という部下を思いやった質問です。会社規模や新卒採用人数など、個別に考えるべき点はありますが、私の答えは「YES」でした。その理由は、会社(職場)とって3つ、本人にとって3つあります。

本人にとっては、①会社の事業戦略と社会的な要請の早期習得 ②正確で網羅性のあるコミュニケーション能力の習得 ③他部署や社外の人を巻き込んで、仕事を進める能力がつく の3つです。 もちろん、他部門で習得可能なものもあり、例えば広報や経理などでは更に専門性が身につくかもしれません。

 

これに会社としての理由を加えてみます。①就活生に人気のCSR部署配属を示すことで、やる気のある層へのアプローチが可能。②入社後すぐに体系的教育を行い、事業理解とCSRマインドを持った人材が育成できる。③新しい人材の教育を通して、職場に新しい視点を取り込むことができる。

 

もちろん、全てが期待通りに進むとは限りませんが、例えば新卒採用に行き詰まりを感じている会社にとっては、自らのCSR部門が就活生からどういう評価を受けているのか、を試す良い機会になります。また、CSR部門が無い、CSRメッセージがホームページに分かりやすく提示されていない会社は、それが就活生にどういうインパクトを与えているのか、を一度想像してみるといいと思います。

新しいメンバーを迎えることは、なんらかの刺激を組織に与えます。そのインパクトをうまく取り込み、変化していける会社は、柔軟な組織を築いていけるのだと思います。

今回お受けした質問の答えが出てくるのは、だいぶ先になると思いますが、いい結果が生まれることを願っています。